東京藝大美術館へ
大雄院襖絵プロジェクトの原点、明治宮殿の千種の間綴れ織天井下図。
天井画そのものは戦火で消失しましたが、柴田是真直筆の下絵は東京藝術大学に所蔵されています。
東京藝大では昨年の夏ごろより、「焼失した皇居・明治宮殿の天井画 柴田是真の作品を修復したい!」というタイトルで、修復のための費用をクラウドファンディングで募集しておられました。
無事に目標額を達成され(大雄院も微力ながら支援させていただきました)今回はその完成披露の展覧会でした。
ご招待いただいたものの、寺務、拝観準備、行事、出頭などめくるめく忙しさで期間中に伺うのは無理かもしれない…しかし、どうしても見たい!そんな気持ちでいた中、予定の変更によりぽっかり空いた二日間。この機を逃してなるものかと、すぐに宿の手配をし、藝大美術館へ便りを書かせていただきました。
そして無事に東京藝大美術館に於いて、今回展示されている是真の花の丸図51面を拝見するに至ったのです。この花の丸図は全部で112面あり全てが東京藝大にありますが、一度にこんなに多くの数を見ることができるのは今回だけかもしれないとのこと。
花の丸図の直径は97cm、3段×17列のど迫力。
100年以上経っても失われないそのエネルギーにまず感動させられます。 超絶技巧の柴田是真が描いた天井画、近くでじっくり…見るのではなく、距離をとってみてみますと急にピントが合い始めます。3mほど離れたあたりで、草花の輪郭が急にはっきりとするのです。 これは、是真が何mも下から見上げてみてちょうど良いように、あえて葉や茎のバランスをダイナミックにとったためだとか。
図録や画集で何度も何度も見ていた花の丸図ですが、本物は全く違いました。 実際に見る事でしか体感できない素晴らしさ、美しさ、改めて感じる柴田是真の才能を多くの方々にご覧いただきたいと思います。 機会がございます方はぜひ上野へ!!!
余談ですが、ここ半年ほど、寺庭は両国から浅草へ行きたい、両国に泊まって浅草で散歩をしたいとそんな事をずーっとぼやいておりました。
今回、上野にちょうど良い宿の空きがなかった事と、上野と両国はそう遠くないことがあり、両国に宿泊することになりました。 では上野の次は浅草へ!と意気込んでいたところ、気が付いたのです。
柴田是真の生まれは「両国」
柴田是真の墓地は「浅草」称福寺
であると。
これはもう、是真さんに呼ばれて来たのだと解釈し、是真さんのお墓参りへ行って参りました。
200年近くの刻を経て、大雄院住職が参ったこと、大雄院襖絵を描いた日を懐かしく思っていてくださるかと思います。
お寺までの道のり隅田川沿いを家族で歩き…浅草散歩も叶えられたわけです。
寺庭がどうしてそう思いついたかは私自身も不思議です。
とにかく浅草に行きたかったのです、そしてそれは両国から行きたかった。できれば水上バスで。
上野では新しいご縁を結ぶ機会もいただきました。
東京藝術大学と妙心寺大雄院で、柴田是真を盛り上げて行きたい、そんなお話もできました。
また、寺庭が20年来のファンであるHUSKINBEEのイッソンこと磯部さんとのご縁もあり、これからの大雄院で何が起こるか、ご期待していただければと存じます。 すべてのご縁に感謝申し上げます。